メガフロート活用へ

排水処理で東電に譲渡 静岡市

福島第1原発事故で大きな問題となっている放射能で汚染された水について、東電が静岡市で海釣り公園として使われているメガフロート(大型浮体式海洋構造物)を、貯水先として準備していることが分かった。
静岡市が1日、東電にメガフロートを譲渡すると発表した。

静岡市によると、メガフロートは静岡市清水区の清水港江尻埠頭沖30メートルに係留され、「清水港海釣り公園」として使われている。
鋼鉄製で長さ136メートル、幅46メートル、高さ3メートル。
内部の空洞は約1万8000トン分の容積があり、1万トン程度の水を入れても沈まないという。

東電がメガフロートを横浜市の造船会社までえい航。内部の隔壁に穴を開け、注水しやすいように改良後、福島第1原発沖に運ぶ。
えい航の時期は未定。

海釣り公園の使用は2日以降休止にする。

東電は市に対し、「フロートを活用した排水処理は、あらゆる手段を検討した中で最も有効で迅速な解決策」と説明したという。

静岡市によると、メガフロートは国が海上滑走路として試作。静岡市が2003年に購入し、海釣り公園として整備した。
購入と設備に約6億円掛かっており、国や東電と補償について協議する。
清水港海釣り公園の入場者は10年度、約1万8500人だった。
小嶋善吉市長は「今も避難生活をされている方々が、一日も早く戻れるよう支援したいので提供を決めた」と話した。