ちり飛散防止へ樹脂散布

福島第1原発事故 地下水も高濃度に汚染

東電は1日、敷地内に落ちた放射性物質を含むちりの飛散を防ぐため、4号機の西側で水に溶かした粘着性の樹脂を試験的に散布した。
放射線を遮る効果はないが、作業環境の向上が期待される。
2週間で約6万リットルをまく。
一方、復旧作業の現場でアラーム付き個人線量計が不足し、作業員全員に行き渡っていなかったことが分かり、経済産業省原子力安全・保安院は、放射線管理や安全確保上の問題があるとして3月31日付で東電の口頭注意した。

東電が放射性物質の濃度を調べる検出器のプログラムに誤りがあったことも判明。
ある種の物質の濃度が正しく計れない恐れがあり、発表データの信頼性にも疑問が生じる事態となった。
1日の復旧作業では、原子炉の冷却水を冷やす海水を取り込むポンプの設置を1、4号機で進めた。すでに2、3号機では設置。

各号機のタービン建屋内の汚染水を除去する作業も継続。1号機タービン建屋外の立て坑の水は約150トンが別の建屋の貯水槽に移された。

東電によると、500個あった個人線量計津波で320個しか使えない状態に。 グループの代表が持って作業したが、不安を訴える人も出た。
東電は注意を受け、100個追加して計420個を確保し、全員が持つように改めた。
被ばく線量が100ミリシーベルトを超えた作業員は計21人になった。

東電は3月31日、1号機のタービン建屋近くの地下水で、敷地境界基準の約1万倍の濃度の放射性ヨウ素を検出したと発表した。
地下水は普段は測定できない程の濃度。

東電は地面に落ちたヨウ素が雨水で地中にしみこんだ可能性を指摘し「非常に高い値。海に流出した可能性は否定できない」とした。
放射性ヨウ素が検出された水は、地下水を15メートル下からくみ上げ海に排水する「サブドレーン」と呼ばれる設備で30日に採取。ポンプは事故で停止している。